町の位置と自然

私たちの古殿町は福島県石川郡の東南端にある。昭和30(1955)年3月31日、今までの宮本村と竹貫村が合併して古殿村となり昭和32(1957)年町制を施行、古殿町となった。平成6(1944)年東白川郡から現在の石川郡に移った。

最東端 東経140度40分、北緯37度6分
最西端 東経140度30分、北緯37度7分
最南端 北緯37度0分、東経140度46分
最北端 北緯37度10分、東経140度33分

町役場

東経140度34分、北緯37度50分。標高305メートル。
最も高いところは三株山で、標高841.8メートル、最も低いところは大原の鮫川流域で274メートル。町の面積は164.45平方キロメートル、東西15.5キロメートル、南北19.5キロ メートル。これは福島県の面積の約1.19%をしめている。土地利用別にみると、山林が最も広く、耕地は少ない。

一 山岳

町の大部分を占める山地ついてみると北の芝山からくる山脈と石川からくる山脈とまた鮫川村に接する三株山よりつらなる山脈等が見られる。

◎三株山
町の南部にあり海抜841.8メートル、いわき市との境にそびえる本町第一の高山である。天気の良い日には、いわき市の海を見ることができるという。
◎鎌倉岳
海抜670メートル、古殿の町並みから常に眺めることができる。樹木が茂り山頂に観世音堂があり毎年旧4月8日はその縁日にあたる。
◎芝山
海抜819メートル、町の北部にそびえ、いわき、平田の3市町村にまたがっている。最近は登山する人も多くなっている。天気の良い日には遠くいわきの海を見ることができるという。
◎犬佛山
海抜767.4メートル大字大久田と山上との境にそびえる官有植林地である。
◎大黒山
海抜787メートル、竹貫田の東方にそびえる本町第一の植林地である。
◎大辷(おおつべ)山
海抜734. 4メートル、頂上に馬頭観世音を祭ってある。
◎入道山
海抜686.5メートル、入道に似ているところからこのような名がつけられたといわれている。
◎矢野山
海抜608メートル、大字田口字戸神の東北にそびえている。昔金鉱があったといわれている。

ニ 河川

第一にあげられるのが鮫川である。鮫川は鮫川村の石塚山鮫池に源を発し同村赤坂中野を経て強滝の景勝を作り古殿町を東に流れ、大平・大久田・小松・その他の支流を合していわき市に入り岩間の海にそそぐ。この鮫川にそそぐ支流を中心にしてあげてみると次のようなものである。
◎大平川 芝山に源を発し、山上を南に流れ横川で鮫川に入る。
◎大久田川 大辷山に源を発し大久田を南に流れ大原で鮫川に入る。
◎小松川 いわき市田人朝日山に源を有して、本町に入り松川字和久で鮫川に入る。
◎組矢川 石川町矢地より出て長光地で鮫川に入る。
◎九竜川 田口入道より源を発し青柳で鮫川に入る。
◎大網川 新田入より発し辺川で鮫川に入る。
◎大風川 山上犬佛山より発し東に流れ、いわき市根岸で鮫川に入る。
◎後川 論田大山より発し西流して石川町に至り今出川に入る。
◎入遠野川

第ニ章 古殿町の大地

福島県の中央部を南北に走る東北本線沿いを中心として、東部には500~1,000メートル程度の阿武隈山地の丘陵が続き、西部には 1,800~1,900メートルの高度におよぶ山地が連なっている。東部には特別高いという山の少ないのに対し、西部の山には頂上が険しく、三角形を呈し ていきり立っている山が多い。この山形の違いは、山の骨格をなしている岩石の違いによるといってもよい。

本町はこのような阿武隈丘陵の南部にあって、80%以上は山地が占めている。

阿武隈山地の岩石の大部分は花崗岩類からできている。これらの花崗岩中で芝山や平田村の一部から産するものと、水沼、大久田、西作等から出るものとには違いがある。前者を新期花崗岩といい、後者を古期花崗岩という。

阿武隈丘陵地の大部分は、これらの花崗岩類から入りまじっているので、本町もそのことから脱することはできない。本町はその他に県内で他の地方にあまり見られない変成岩類が分布している(変成岩は本町以外に阿武隈高原の東縁、相馬、伊達、安達の一部にも見られる。)

この変成岩類は、石川町から古殿町を経て湯本町に至る街道筋に見られ、庭石に利用するために、盛んに採取している俗に鮫川石と称しているものである。

この岩石は、いわき市、石川、東白川郡の一部広い地域におよんで分布しているもので、竹貫式変成岩、御斎所式変成岩と呼ばれているくらい変成岩の代表的な名称さえつけられている岩石が本町の大地 となっている。

第三章 古殿町の植物

純粋な高山植物といわれるものはないが、準高山性の植物は数多く見られる。特に芝山頂上には、ウスユキソウ、ヤマノコギリソウ、イブキボウフウ、アズマギク、ノリウツギ等数多く見られる。
また古殿町全域にわたり、路傍にまで、タマアジサイやニガイチゴが見られる。高山植物または深山に生育するといわれる『コバイケイソウ』の大群落が三株山南方の山麓に発見されたことでも、当地がいかに山深い地域であるかを物語る証拠となろう。
しかしなんといっても古殿町を特徴づけるものは、竹貫層の雲母片岩という絶好の土質に恵まれ、至る所、山の頂上までも続いて、すくすくと生育しているスギの植林の壮観であろう。

第四章 古殿町の動物

古殿町では、毎年話題のタネになるものはほ乳類のイノシシである。中には体重120キログラムを超える大物もいるということで、集団で田畑を荒らすので農家の人々には嫌われている。
また古殿町ではハクビシンが年間数頭捕獲されている。ハクビシンは帰化動物の一種でいつごろから日本に移入されたか明らかではないが一説には第ニ次世界大 戦(大東亜戦争)の折毛皮を取る目的で原産地の台湾から移入され、これが敗戦後の食糧難時代に山に放たれ、それが土着しいま各地に繁殖しているものと考え られている。
渡来種で土着したものはこのほかにもコジュケイがある。コジュケイは中国原産の鳥で狩猟鳥のひとつとして昭和の初期に移入され、各地に放鳥されたものである。チョットコイ、チョットコイという愛嬌のある鳴き声の持ち主で、またその肉はなかなか美味である。

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