町の林業の発展のために、試験的にバイオ乾燥機を導入しました。導入したバイオ乾燥機は幅3m×高さ3m×長さ6mと小型で、性能を確認するために試験機として動かしております。

　今回導入した木材乾燥機はバイオテクノロジーの成果を応用した「バイオ乾燥機」です。約35℃の低温で木材の細胞内にある水分を自然に外へ移動させるので、木材の細胞を壊さないため、細胞中の酸が外に出てこないという特徴があります。書物など文化財の保管庫に使用する木材は、この酸が木材から出てくると文化財が痛むためバイオ乾燥機で乾燥させた木材が求められており銀座歌舞伎座の檜舞台や東大寺総合文化センター、浜離宮松の御茶屋など有名な建造物に使われています。

　バイオ乾燥機では、重油ではなく遠赤外線ヒーターで木材を温めます。このため、電気だけで動かせます。また、一般的な重油を燃やし蒸気で庫内を高温にするタイプの木材乾燥機では、木材の変色や焦げなどにより不良品も発生しやすくなります。バイオ乾燥機では、乾燥に時間はかかりますが（柱材で1ヶ月、板材で1～2週間）、天然乾燥のようなきれいな色味が残り、天然乾燥や高温乾燥よりもしっかり乾燥できます。

　古殿町のスギは平成26年度に実施した調査で全国や県の平均よりも強度が高い（たわみにくく、曲げに強い）ことが分かっており、この強いスギをバイオ乾燥機で乾燥することでより良い品質で製品として仕上げていきたいと考えています。

　乾燥機を用いて木材乾燥を行った製品の一部をご紹介します。